【11月16日 AFP】米ホワイトハウス(White House)の今週のボスは「トランプ氏」だった──とはいっても、メラニア・トランプ(Melania Trump)大統領夫人の方だ。

 米政界で2年に及び最も謎めいた存在だったファーストレディーが正体を現し、大統領副補佐官を解任させるという驚くべき要求を行ったのだ。

 ファーストレディーは、大統領がその話に耳を貸すなど、往々にして影響力を行使するものだが、これほど直接的な介入は異例で、公に行われたことは皆無だ。

 メラニア夫人が13日、ミラ・リカーデル(Mira Ricardel)大統領副補佐官の解任を要求したことは、ホワイトハウスを揺るがせた。

 トランプ氏のリーダーシップ・スタイルは、自分が注目の的になることに基づいている。だが米政界の目は突然、メラニア夫人と、リカーデル氏は「その職務にもはや値しない」と述べた彼女の宣言に注がれた。

 その声明から1日余りを経て答えが出た。リカーデル氏はホワイトハウスを離れ、政権内で別の職に就くことになった。

 NBCニュース(NBC News)は「前代未聞」と報じ、トランプ氏お気に入りのFOXニュース(Fox News)も「驚くべきことだ」と伝えた。

 リカーデル氏は下級のスタッフではない。大きい影響力を持つジョン・ボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の下の副補佐官だった。

 リカーデル氏は何をやらかしたのか。報道によると、メラニア夫人の10月のアフリカ歴訪の際に、飛行機の座席位置をめぐり夫人のスタッフと対立したとされる。またこの口論に関する「否定的な報道」に関しても、リカーデル氏のせいだとされた。