【11月16日 AFP】男子プロテニス協会(ATP)とオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は15日、新たな団体戦ATPカップ(ATP Cup)が2020年から開催されると発表した。これについて、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は歓迎の意向を示している。

 現在、英ロンドンで開催されているATPワールドツアー・ファイナルズ(ATP World Tour Finals 2018)で行われた今回の発表では、四大大会(グランドスラム)の初戦で毎年1月に行われる全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)の前哨戦として、ATPカップが豪3都市で10日にわたり開催されることが明らかになった。賞金総額は1500万ドル(約17億円)で、勝者にはATPのランキングポイントが最大で750ポイント与えられるという。

 世界ランク1位のジョコビッチは前日、国別対抗戦のデビスカップ(Davis Cup)のフォーマットが変更されて大会の開催時期が近くなることから、ATPカップの日程に懸念を示しており、「これから2年後に、同じとは言えないまでも非常に似通った2大会が6週間を挟んで行われることになる」「正直なところ、テニスにとってためにならないと思う。同等の大会が二つになってしまう」と発言していた。

 しかし、それからわずか1日で、ATP選手協議会(ATP Player Council)の会長を務める同選手は、「ATPと選手が主催で、ランキングポイントも与えられるのは良いことだ。シーズン開幕にはうってつけの大会になる」「われわれは、シングルスで90パーセント以上の時間を費やしていて、団体戦はあまり多くない」と対照的な姿勢を示した。

 一方、この日ATPファイナルズで4強入りを決めたフェデラーも、今回発表になった新設の団体戦を歓迎。デビスカップにも影響しないという見解を示し、「テニスのW杯が行われるなら、選手たちにとってはシーズンの一週目が望ましい。だから、すごく楽しみな大会になる」と前向きだった。

「デビスカップに豊かな歴史があることは確かで、選手たちはプレーに前向きのはず。その観点からすれば、大会の本質がそれほど変わったり、カレンダーが厳しくなったりするわけではない。チーム戦が増えるというだけで、選手側としては歓迎だと思う」

 ATPカップは24か国が6グループに分かれて総当たり戦を行い、そのうち8チームが決勝トーナメントでしのぎを削ることになる。各チームの人数は最大5人で、シングルス2試合とダブルス1試合が組まれる。

 一方、デビスカップは2019年から新形式となり、シーズン最後の週に18か国が1都市に集まって開催されることになった。同大会の主催がテニスの統括団体である国際テニス連盟(ITF)であるのに対し、ATPカップを取り仕切るのは男子ツアーをまとめるATPとなっている。

 世界5位のアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)は先日、デビスカップのフォーマット変更を受けて、トップ選手のほとんどが同大会を回避するだろうと批判していた。(c)AFP/John WEAVER