【11月16日 AFP】米国は15日、サウジアラビア人著名ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏の殺害に関与したとして、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子の最側近2人を含むサウジ当局者17人を経済制裁の対象に指定した。

 スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官は「制裁の対象となるサウジ当局者はジャマル・カショギ氏の忌まわしい殺害に関与した。米国に居住し働いていた同氏を標的とし、残忍に殺害したこれらの人物は、自らの行為の責任を取らなければならない」と述べた。

 17人の制裁対象者にはサルマン皇太子の最側近であるサウード・カハタニ(Saud al-Qahtan)氏とマヘル・ムトレブ(Maher Mutreb)氏、カショギ氏殺害時にトルコ・イスタンブール総領事を務めていたムハンマド・オタイビ(Mohammed al-Otaibi)氏が含まれている。

 米財務省は、サルマン皇太子の長年の側近であるカハタニ氏がカショギ氏殺害の「計画と実行に関わっていた」と言明。しかし、サルマン皇太子を名指しで非難することはなかった。サウジ政府はサルマン皇太子は殺害を指示していないと主張している。

 制裁は、国際的に認められた人権活動家らの司法管轄外の殺害や拷問などが疑われる場合に適用されるグローバル・マグニツキー法(Global Magnitsky Act)に基づくもの。米司法権の管轄下にある制裁対象者の資産が凍結されるとともに、米国の個人および企業との取引が禁止される。

 これに先立ち、サウジ検察当局はこの事件でサウジ当局者5人に対し死刑を求刑すると発表した一方で、サルマン皇太子の関与はなかったと断言していた。(c)AFP