【11月16日 AFP】英国で15日、同国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の条件をめぐる合意草案に反発し、閣僚ら4人が辞任した。テリーザ・メイ(Theresa May)首相率いる与党・保守党からは首相の不信任投票を要求する動きも出ており、メイ氏は政権内の反乱への対処を強いられている。

 合意草案をめぐっては、ドミニク・ラーブ(Dominic Raab)EU離脱担当相に続き、エスター・マクベイ(Esther McVey)雇用・年金相と閣外相2人が辞任。一方のメイ氏は草案について、英国が望み得る最善の取り決めであると強調し、唯一の選択肢は合意なき離脱か離脱の断念のみとなると警告した。

 議員らは党派を問わず、同案が議会の承認を得ることはあり得ないとメイ氏に通告。離脱強硬派は同案がEUに譲歩し過ぎていると主張している一方、EU残留派は最終合意について2度目の国民投票の実施を求めている。だがメイ首相は15日の記者会見で、国民投票の再実施の可能性を否定した。

 草案の主要条項には、EU加盟国アイルランドと英領北アイルランド国境の管理厳格化の回避や市民の権利の保護、英国のEU離脱に伴ういわゆる清算金の支払いが含まれる。

 政局の混乱を受けて英ポンドは15日の外国為替市場で米ドルに対し1.5%超下落、一時1か月ぶり安値を付けた。対ユーロでも約1.5%下落した。(c)AFP/James PHEBY