【11月15日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、チェルシー(Chelsea)のヌゴロ・カンテ(N'Golo Kante)が、クラブからの給与の一部をタックスヘイブンを介して受け取ることや、自身の肖像権のオフショア(国外)支払いを拒否していたことが分かった。サッカーに関する内部告発サイト「フットボール・リークス(Football Leaks)」が14日、明かした。

 フランスのニュースサイト「メディアパルト(Mediapart)」によると、2016年にカンテがレスター・シティ(Leicester City)からチェルシーに加入する6週間前に、NKプロモーションズ(NK Promotions)と呼ばれる会社が、税制で有利な英領チャネル諸島(Channel Islands)のジャージー(Jersey)島に登録されたという。納税回避のために、カンテの給与の10パーセントを国外で支払う目的だとみられている。

 同サイトは、この会社がチェルシーによって設立されたのか、カンテの関係者によって設立されたのか分かっていないとしている。

 当初、カンテの弁護士は顧客であるカンテ自身が会社の設立を「容認する」だろうとしていた。しかしながら27歳の同選手は昨年、税務顧問を通じて、いかなるオフショア支払いも拒否すると明かしていた。

 2017年5月にチェルシー幹部に送信されたメールの中で税務顧問は「ヌゴロは頑固だ。彼はただ普通の給与を求めている」「肖像権や、選手やクラブに対する税務調査などの報道記事を大量に読んだヌゴロは、会社の設立で税務当局から疑われるのではないかと、次第に不安になっていった」「ヌゴロはどんなリスクも取りたくはないと考えている」と説明している。

 カンテは15-16シーズンにレスターでプレミアリーグを制して以降、イングランドでファンからの人気を博している。翌シーズンにはチェルシーでもリーグ制覇を果たし、イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)の年間最優秀選手にも選出された。

 またフランス代表としては、優勝を飾ったW杯ロシア大会(2018 World Cup)で全7試合に先発出場した。

 UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2018-19)のオランダ戦を16日に控える中、代表チームの同僚であるブレーズ・マテュイディ(Blaise Matuidi)はこのニュースについて、「驚きはないね。彼はただただヌゴロとして生きているんだ。カードゲームのちょっとしたずるを除けば、不正をする男じゃないし、全て完璧なんだ」と笑顔でコメントしている。(c)AFP