【11月15日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権がCNN記者のホワイトハウス(White House)への入庁許可を停止したことをめぐり、FOXニュース(Fox News)を含む米メディアは14日、CNNが許可の回復を求めて起こした裁判に加勢した。一方、政権側は、報道機関による大統領への取材の可否を決める広範な権限が自らにあると主張している。

 FOXニュースはトランプ大統領の盟友ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏の傘下にあり、しばしば同大統領から称賛されてきた。だが、CNNのホワイトハウス担当主任記者ジム・アコスタ(Jim Acosta)氏がトランプ大統領と口論を繰り返した末、入庁許可を取り消された今回の一件では、報道の自由への懸念を示した。

 同社は、第三者から法廷への意見陳述書「アミカスクリエ意見書(法廷助言書)」を連邦地方裁判所に提出する方針を表明。「ホワイトハウスで仕事をするジャーナリストの入庁許可証が兵器化されることがあってはならない。われわれは、大統領と報道機関の双方が最近の記者会見で敵対的な口調を強めていることを看過しない一方で、米国民のための自由な報道、取材、率直な意見交換を強く支持する」との立場を示した。

 同社のほか、裁判でのCNN側の主張を支持している報道機関には、AP通信(Associated Press)、ブルームバーグ(Bloomberg)、NBCニュース(NBC News)、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)、USAトゥデー(USA Today)、ワシントン・ポスト(Washington Post)などがある。

 各社は共同声明で「その日の出来事が国家安全保障に関するものであれ、経済や環境に関するものであれ、ホワイトハウス担当記者が自由に質問できなければならない」とした。

 ホワイトハウスは裁判所に提出した書面で、政権には大統領へのメディア取材を制限する「広範な裁量」があると主張。入庁許可の停止が、報道の自由の保護を定めた合衆国憲法修正第1条(First Amendment)に違反するとの主張に反論した。(c)AFP/Rob Lever