【11月15日 AFP】米メディアによると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は現在、内閣改造を準備している。背景には、先週の中間選挙で与党・共和党が下院での過半数を失ったことへの怒りや、メラニア(Melania Trump)夫人と政権幹部との不和があるとみられている。

 米メディア各社の報道によると、更迭の可能性がある最も高位の人物はジョン・ケリー(John Kelly)大統領首席補佐官だ。同氏は、激動のトランプ政権内で唯一の「大人」的存在とされることも多いが、大きな悪影響を生む大統領の衝動的言動を抑える努力をほとんどしていないとの批判も受けている。

 米メディアは、ケリー氏退任の日は近いとする未確認リーク情報を繰り返し報道。これまで数か月にわたり危うい状態にあった立場がさらに悪化した要因として、ケリー氏がメラニア夫人の側近の昇進を断ったことで夫人の怒りを買ったとも伝えている。

 さらに、キルステン・ニールセン(Kirstjen Nielsen)国土安全保障長官も、内閣改造の犠牲者になる公算が大きいとされている。ニールセン氏はケリー氏と協力関係にあり、政治的に繊細な問題であるトランプ氏の強硬な不法移民対策を監督する立場にある。

 ジョン・ボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ニールセン氏に対して批判的な立場を取っており、先月には大統領執務室(Oval Office)のすぐ外でニールセン氏の仕事ぶりをめぐりケリー氏と激しい口論を起こしたと広く報じられた。

 ケリー氏がメラニア夫人の反感を買っているという臆測が取り沙汰される一方で、夫人は13日、別の高官に対する解雇を公に要求するという異例の行動に出た。ボルトン氏の次官に当たるミラ・リカーデル(Mira Ricardel)大統領副補佐官だ。

 メラニア夫人は13日、報道官を通じ、リカーデル氏は「その職務にもはや値しない」と表明。リカーデル氏は14日現在も引き続き在職しているが、長くは続かないとの見方が優勢だ。メディアに流出した情報によると、メラニア夫人とリカーデル氏の不和の一因は、メラニア夫人が10月に行ったアフリカ歴訪で、飛行機の座席をめぐり対立したことにあったとされる。(c)AFP/Sebastian Smith