【11月15日 AFP】イスラエルのアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)国防相は14日、同国がパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)などと交わした停戦合意に反発し、辞任を表明した。リーベルマン氏は併せて総選挙の前倒しを求めており、政局が混乱する可能性もある。

 リーベルマン氏は自身が率いる極右政党「わが家イスラエル(Yisrael Beitenu)」を連立政権から離脱させる考えも示した。これによりベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相率いる連立与党は、議会の過半数をわずか1議席差でしか維持しないことになる。

 総選挙は2019年11月まで予定されていなかったが、リーベルマン氏の辞任により、総選挙が前倒しで実施される可能性が高まった。

 同氏は辞任の理由について記者団に対し、13日の停戦は「テロに屈すること」だと説明。「われわれが現在国家として行っているのは、国家安全保障に対する深刻かつ長期的な損害という代償を支払い、短期的な静けさを得ているに等しい」とし、その後「できるだけ早く選挙日程で合意する必要がある」と語った。一方、ネタニヤフ首相は13日の停戦合意を擁護している。

 この停戦合意で、2014年のガザ紛争以来最悪の規模となったイスラエルとパレスチナ武装勢力の衝突は収束した。(c)AFP/Jonah Mandel