【11月19日 東方新報】約10年前から始まった11月11日の中国「独身の日」の大型セール活動。その活動10周年を節目に、中国2大Eコマース企業の阿里巴巴(アリババ、Alibaba)と京東集団(JD.com)の「独身の日」販促キャンペーン期間の総取引額は3733億元(約6兆1129億円)に到達し、過去最高を記録した。

 京東のデータでは、京東各プラットフォームで販売する海外商品のうち、販売量が最も多かった商品は、国別で米国、日本、ドイツ、オランダと続き、日本は米国に次いで2位。カテゴリー別では、カメラ、ビデオなど撮影機器、製麺機、紙おむつ、運動靴、電気シェーバーなど特に人気が高く、ブランド別では、アップル(Apple)、フィリップス(Philips)、サムスン電子(Samsung Electronics)、ソニー(Sony)、花王(Kao)と日本ブランド2社が入った。またこのほか、商品別で最も販売量の多かったトップ5商品のうち、花王の紙おむつ製品2種類がランク入りを果たしている。

 今年の大型販促キャンペーン期間中、アリババのECプラットフォーム上での取引額は2135億元(約3兆4985億円)、同社の過去最高取引額を更新し、販促イベントが始まった10年前と比べ4000倍以上の増加となった。そのうち、日本は世界各国の海外商品の中で、米国を抜き最も商品販売量の多い国となり、花王、ムーニー(Moony)、ドクターシーラボ(Dr. Ci:Labo)、ユニクロ(Uniqlo)など日本ブランドの人気が特に高かった。

 京東集団は、同期間中の取引額は累計1598億元(2兆6185億円)を突破。前年比25%増の伸びをみせ、売り上げとしては同社でも最高記録を更新し、ECプラットフォーム上でも日本製品の売上げがアリババ同様に突出していた。

 北京市で「独身の日」大型販促キャンペーンに関する記者会見を開催した京東集団は、商品の優良な品質と、口コミなど評判もあって、多くの中国人消費者から受け入れられたとコメントしている。

 米中貿易戦争の背景もある中で、輸入の拡大をさらに進めていきたい中国。そんな中、現在の越境EC分野は中国人消費者の海外商品に対する大きなニーズが存在する。

 中国EC市場の急速な発展は、インターネット、物流、AI、ビックデータなどこれら技術の発展、運用無くしてはありえない。テクノロジーの発展は中国EC企業にとっても、オン・オフラインを融合した発展の方向性へと舵を取っていく。

「独身の日」大型販促キャンペーンは、同時に各EC企業が自社のテクノロジー技術など実力を見せつける場でもあり、実際多くの企業がこのキャンペーン期間中に新たな技術を展開し、「テクノロジー企業」としてのイメージ強化を図っている。(c)東方新報/AFPBB News