【11月14日 AFP】前首相派と大統領派が対立する「憲政の危機」に陥っているスリランカの議会は14日、マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)内閣の不信任案を可決した。

 これに先立ち13日には最高裁が、マイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)大統領が宣言した議会解散を命じる大統領令を差し止めた。

 スリランカでは先月26日、シリセナ大統領がラニル・ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)前首相を解任し、前大統領のラジャパクサ氏を新首相に任命。ウィクラマシンハ氏は解任に応じず、シリセナ大統領が議会解散を宣言するなど混乱が続いている。

 議会のカル・ジャヤスーリヤ(Karu Jayasuriya)議長は、225人の議員の過半数が不信任案を支持していると裁定し、「議会は内閣を信任していない」と宣言。

 ただしこの結果は、シリセナ大統領に解任されたものの退陣を拒んだウィクラマシンハ氏の勝利を自動的に意味するものではない。ウィクラマシンハ氏率いる統一国民党(UNP)は議会で最大議席を占めているが、首相の任命権は依然としてシリセナ大統領にある。

 ラジャパクサ新首相は不信任案採決を前に議場を退席。現閣僚数人も議会規則に反するとして議長を非難し、議場を後にした。(c)AFP