【11月14日 AFP】サッカードイツ代表のスター選手たちが14日、グループリーグ敗退に終わった今夏のW杯ロシア大会(2018 World Cup)の傷を癒やす活動の一環として、親善試合が行われるライプツィヒ(Leipzig)市内の高校を訪れ、生徒たちと交流した。しかし、生徒からは際どい質問も飛んだ。

 同地で15日に行われるロシアとの親善試合を前に、代表は主将のマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)をはじめ、リロイ・ザネ(Leroy Sane)、ユリアン・ブラント(Julian Brandt)、ティモ・ヴェルナー(Timo Werner)らが地元の高校を訪れ、W杯後に深まりつつあるファンとの溝を埋めようと交流会を行った。

 しかし、生徒たちからは際どい質問も飛び出した。ある生徒はザネに対し、「メスト・エジル(Mesut Ozil)の代表引退をどう思いますか?」とずばり質問。ロシア大会後、SNSで差別的な攻撃を受けたエジルは、ドイツサッカー連盟(DFB)の「人種差別と敬意を欠く行動」を理由に代表を引退した。

 この質問に対し、昨季イングランド・プレミアリーグの最優秀若手選手に選ばれながら、ロシア大会のメンバーから漏れたザネは「個人的には残念だよ。良い友人だし、できることならまた一緒にプレーしたい」「だけど代表には他にも良い選手がいるし、彼らと一緒にやっていくだけだ」とあたり障りなく回答した。

 ドイツ代表については、ファンとの距離が離れすぎているという批判が出ていて、10月には5000人のファンに向けて代表チームの練習を公開したが、今回の活動はその流れに続くものとなる。45分のセッションのうち、記者の質問時間として割り当てられたのはわずか15分だった。

 ただし、こうした努力にもかかわらず、ロシア戦のチケットは12日時点で約4万2000席のうち2万8000枚が売れているだけだという。

 ドイツ代表は、UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2018-19)のリーグAグループ1で、勝ち点わずか1ポイントの最下位に沈んでおり、リーグB降格の危機にひんしている。次週のオランダ戦に向けて士気を高めるためにも、ロシア戦では勝利が求められるが、16日のオランダ対フランス戦でオランダが勝利すれば、その時点でドイツの降格が決まる。(c)AFP