【11月14日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は13日、欧州議会(European Parliament)で演説し、「私たちはいつの日か、真の欧州軍を創設するという構想に取り組まなくてはならない」と訴えた。米国に頼らない欧州軍をめぐっては、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が創設を提唱したことにドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が反発。メルケル氏はマクロン氏に同調し、トランプの批判に反論した形だ。

 メルケル氏は演説の中で、欧州の将来のあり方について自身の見解を披露。欧州軍の構想については、北大西洋条約機構(NATO)の下での欧州と米国の協力と両立できるとの認識を示しながらも「欧州を守るには欧州自体が強くなるしかない」と強調した。

 また、欧州の防衛・安全保障政策の中核を担う機関として、昨年提案した「欧州安全保障理事会(European Security Council)」の設立も改めて呼び掛けた。各国が交代で議長国を担当する仕組みとしている。

 トランプ大統領はマクロン氏による欧州軍創設案を「非常に侮辱的」と批判。13日にもツイッター(Twitter)で「フランスのためになるのか」などと再びこき下ろした。

 米政府は欧州軍によりNATOの結束が薄れかねないと懸念している。(c)AFP/Marie JULIEN