【11月15日 AFP】コレクションからファーを廃止するファッションが増える中、ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)もその一員に加わると発言し、動物保護団体はその決断を称賛した。

 フランスクチュール界の異端児はこの決断を10日、テレビのインタビューで発表。「まったくもって嘆かわしい」方法で動物を殺していると発言した。

「本物のファーは偽物に比べて官能的だが、暖かくある方法は他にもある」とゴルチエは仏テレビ局カナル・プリュス(Canal Plus)のインタビューでコメントした。

 動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」の本部はこの発表を受け、「お祝いムード」であるとした。

「この決断は時代を象徴している」と、国際ディレクターであるMimi Bekhechiは声明で述べた。「多くの人々は、檻に閉じ込められた後に感電死、もしくは撲殺された動物から作られたものと関わりたくないと思っています」

 ファー廃止を求める動物愛護団体と顧客らによるブランドへのプレッシャーが増している。ゴルチエの今回の決断は「アルマーニ(Armani)」や「ヴェルサーチェ(Versace)」に続く形となった。

他にもラルフ・ローレン(Ralph Lauren)、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)、ステラ マッカートニー(Stella McCartney)らが、フェイクファーなどの代用品を使用している。

 仏動物愛護団体SPAは「他のクチューリエやブランドがジャン=ポール・ゴルチエの決断に続くことを願っている」と述べた。

「(使用される)動物たちの繁殖環境や解体方法は、最も残虐なやり方だ」とSPAのJacques-Charles Fombonneは話す。

 PETAの活動家らはアンチファーキャンペーンの中で、ゴルチエや他のファッションブランドを標的としており、2006年には仏パリにあるゴルチエの店舗にも侵入し抗議活動を行った。

 ゴルチエの発表を受け、仏ファー業者らは失望している。業界団体「フリュール・フランセーズ(La Fourrure Francaise)」は、ゴルチエの決断は「動物愛護団体やフェイクファー業界による偽の情報に基づいてなされたもの」であるとした。

「ジャン=ポール・ゴルチエが明確な選択ができるよう、欧州と仏国による動物取扱規則に則った方法で動物を繁殖、解体していることを、我々が喜んで公開します」と同団体は述べた。 (c)AFP