【11月11日 AFP】男子テニス、ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ(2018 Next Gen ATP Finals)を制したステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)が、試合時間短縮のための大会フォーマットに少し戸惑ったことを明かしている。

 大会第1シードのチチパスは2-4、4-1、4-3(7-3)、4-3(7-3)で第2シードのアレックス・デミノー(Alex De Minaur、オーストラリア)との決勝に勝利。3回目のチャンピオンシップポイントを制し、1時間41分で決着をつけた。

 この大会は、2017年から始まった21歳以下の選手のための「ATPファイナルズ」で、通常より短い1セット4ゲーム先取で行われ、3-3でタイブレークに入る。その一方で5セットマッチの形式が採用されており、従来の3セットマッチと勝利に必要なゲーム数(12)は同じながら、見どころの増加が図られている。

 これについて、チチパスは「正直に言って、混乱する。僕としては好きとも嫌いとも言えない」「どのゲームもプレッシャーがすごかった。アドバンテージがないから、いつもの2倍集中しないといけない」「だけどこのルールは大好きだよ。勝ったからね」とコメントした。

 大会では、ヘッドホンを使ったコーチとの会話が認められた他、ラインコールにはビデオ判定システムに支えれた「ホークアイ・ライブ(Hawk-Eye Live)」が使われた。また10月の深センオープン(Shenzhen Open 2018)で、ボールボーイがタオルを早く渡すようせかされたことが問題になったのを受けて、今回は初めてコート後方にタオルラックも設置された。

 これらについて、前年大会は控えメンバーとしての選出で、実際の出場は今回が初めてとなるチチパスは「タオルやヘッドセットはあまり好きじゃない」と話している。

 チチパスは、前日の準決勝でヘッドホンを破壊したことを指しながら、「ヘッドセットについては、大ファンというわけじゃないけど、それはきのうの僕を見れば分かるよね」と言って笑った。

「ノーレットでプレーするルールについては、今回は問題なかった」「ホークアイ・ライブはエキサイティングだ。すごく良いと思う。ミスがないし、すごく正確で、反応も速い。人間の目で判定するよりずっと良い。だからホークアイ・ライブは大好きだ」「できればもっと多くの大会で採用されるようになって、テニスのイノベーションになってほしい」

 世界ランキング15位のチチパスは、これが先月のストックホルム・オープン(Intrum Stockholm Open 2018)に続くキャリア2勝目。今季は同91位でスタートしたが、他に2大会で準優勝を果たすなど、最も成長を遂げた選手の一人となっている。(c)AFP/Emmeline MOORE