【11月11日 AFP】クロアチアの沿岸都市スプリト(Split)で7日、65歳の男がファシズム政権と戦った英雄の像を繰り返し押して倒そうとしたところ、像が自らの脚の上に倒れ、脚を骨折するという高い代償を支払う羽目となった。警察や地元メディアが明らかにした。

 男が押し倒したのは、第2次世界大戦(World War II)中に親ナチス(Nazis)のウスタシャ(Ustasha)政権下のクロアチアでレジスタンス(抵抗運動)を率いた一人、ラデ・コンチャル(Rade Koncar)の胸像。同国政府は「野蛮な破壊行為」と非難した。

 地元紙「スロボドナ・ダルマチア(Slobodna Dalmacija)」によると、男は倒れた像によって脚を骨折。ツイッター(Twitter)には「コンチャルの復讐(ふくしゅう)だ」との投稿もみられた。スプリトの病院は男が手術を受けることになったと明かしている。

 ウスタシャ政権への抵抗運動を指揮したコンチャルは1942年、ファシスト政権下のイタリア軍に仲間と共に捕えられ、31歳の若さで処刑された。

 クロアチアでは1991年の独立以降、反ファシズムを記念するモニュメントが荒らされたり破壊されたりする事件が後を絶たず、当局がウスタシャ政権時代を懐かしむ風潮の高まりに目をつむっているためだとの批判もある。

 ウスタシャ政権下では、セルビア人の有名人、クロアチア人の反ファシスト活動家、敵対的なユダヤ人、ロマ人ら数十万人に対し、迫害や殺害を繰り広げた。(c)AFP