【11月11日 AFP】ラグビーテストマッチが10日、英ロンドンのトゥイッケナム(Twickenham)で行われ、ビデオ判定にも救われたW杯王者ニュージーランドが16-15でイングランドから逆転勝利を収めた。

 2019年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)開幕まで1年を切る中、イングランドとの4年ぶりの試合に臨んだオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)は、絶好のスタートを切った相手にいきなり15点を先行されたが、ダミアン・マッケンジー(Damian McKenzie)のトライとボーデン・バレット(Beauden Barrett)のペナルティーゴール(PG)で5点差に迫って前半を終えると、後半にはバレットのドロップゴールとペナルティーで逆転に成功した。

 それでも試合残り4分、イングランドは相手のTJ・ペレナラ(TJ Perenara)のキックをコートニー・ロウズ(Courtney Lawes)がブロックしたところから、こぼれ球を拾ったサム・アンダーヒル(Sam Underhill)がボーデン・バレット(Beauden Barrett)をかわしてインゴールに飛び込み、チームはオールブラックス戦41試合で通算8勝目をもぎ取るかに見えた。

 しかし主審はビデオ判定員と相談した結果、ロウズがオフサイドだったとして得点を認めず、トゥイッケナムに詰めかけた満員の8万2000人のファンはがっくりと落胆した。

 ワールドラグビー(World Rugby)は先日、「トライについては、4人のチーム(主審、タッチジャッジ2人、テレビジョンマッチオフィシャル)が関わる事項ではあるものの、主審が責任をもってフィールド上で判定すべき事柄である」と通達していた。

 アンダーヒルは英BBCに対して「ラインを越えたときに何を思っていたかは覚えていない。戻されたんだからそういうことなんだろう。それでもかなりの接戦だった」とコメントした。

 またオールブラックスのスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は主審の「勇敢」なコールをたたえつつ、チームの反発力を評価した。

 ハンセンHCは「イングランドは素晴らしいスタートを切り、われわれは力を振り絞ってなんとか逆転することができた」と話しつつ、雨の中での試合について「土砂降りの中でのプレーで難しかった。華麗なラグビーは不可能で、粘り強く戦うしかなかった」とコメントした。(c)AFP