【11月10日 AFP】フランス南部の港湾都市マルセイユ(Marseille)で老朽化したビル2棟が倒壊した事故で、救助隊が9日、新たに1人の遺体を発見し、事故の死者は8人となった。現場周辺では、住民らの避難が続く中、近隣の建物の検査が行われた。

 事故は5日午前、活気あふれる港のすぐそば、労働者層が多く住むノアイユ(Noailles)地区で発生。当局は住民5人と訪問客3人が倒壊したビルのうち1棟に取り残されたと考えていた。

 同地区のオバーニュ通り(Rue d'Aubagne)では、周辺の不安定な建物を倒壊させないよう慎重に捜索が行われるなか、住民数十人が避難した。消防当局は近隣の建物に対する検査の対象を広げており、この日も住民の避難が続いた。

 マルセイユ市の広報担当者によると、8日夜には市の指示で自宅から避難した236人がホテルに宿泊した。

 住民や住宅問題解決を訴える活動家らは、市に対して建物に亀裂が入っているなどの懸念を伝えたにもかかわらず市側は無視したと批判。一方、ジャンクロード・ゴーダン(Jean-Claude Gaudin)市長は、市は長年にわたり住宅の改修・改築に取り組んできたと説明している。(c)AFP