【11月9日 時事通信社】オーストリアのクルツ首相は9日、ウィーンで記者会見し、退役したオーストリア軍元将校(70)が数十年にわたりロシアのためにスパイ活動を行っていた疑惑があるとして、軍事情報漏えいの疑いで検察による捜査を始めたと発表した。クナイスル外相も、12月に予定していた訪ロを取りやめた。地元メディアが報じた。

 オーストリアは、英国での元ロシア情報員暗殺未遂事件で欧州連合(EU)各国とロシアの関係が悪化した後も「橋渡し役」としてロシアとの外交関係維持に努めてきた。石油産業を通じたつながりも深い。今回のスパイ疑惑浮上で、EU諸国とロシアの関係は一段と冷え込む可能性がある。

 クルツ首相は「ロシアの欧州での情報活動は受け入れ難い。非難されるべきだ」と糾弾した。問題の将校は1990年代から今年まで、ロシアの情報機関に協力していた疑いがある。調べに対し、ロシアはオーストリアの軍備や移民問題に関心を寄せていたと話しているという。(c)時事通信社