【11月11日 CNS】第一回中国国際輸入博覧会(China International Import Expo)期間中、中国EC企業の激しい「爆買い」が繰り広げられた。消費者を魅了する商品を仕入れるために金に糸目すらつけない勢いだ。

 近年、越境ECサイトとして国内で非常に人気のある新鋭企業の網易考拉(Kaola)は、博覧会期間中の6日、110社以上の企業との商品取引契約を締結したことを発表した。商品は主にベビーマタニティ、ヘルスケア製品、家庭用品、化粧品など、それら関連商品の取引金額は200億元(約3264億円)近くに上るという。

 網易考拉の張蕾(Zhang Lei)CEOは、「今回の『200億元』は今後、世界のあらゆるものを買い付ける『200億ドル(約2兆2630円)』計画の一部分にすぎない」と話す。

 張CEOは、あと2~3年内に中国越境ECの発展は黄金時代を迎え、同社はこのチャンスをものにしてより多くの海外優良ブランドの中国市場参入サポートを行い、中流階層の消費者ニーズを満たしていきたいと述べている。

 蘇寧電器のECサイト「蘇寧易購(Suning.com)」も同日の博覧会期間中に、総計150億ユーロ(1兆9417億円)におよぶ取引契約を結んだことを発表、取引先には大手日用品ブランド、家電メーカー、国際的に著名な建築デザイン機関など含んでいるという。

 蘇寧易購の孫為民(Sun Weimin)副董事長は、「今後あと2年は、海外商品の仕入れを強化し、世界的な小売商とより深い協力関係を築き上げていきたい」と話す。

 また、中国最大のEC巨頭の阿里巴巴(アリババ、Alibaba)に至っては、すでに5年先まで見据えている計画で、今後5年間で2000億ドル(約22兆7780億円)に相当する120の国と地域の海外商品を買い付ける計画を発表している。

 これら各EC企業の「天文学的な数字」の背景には、日々高まる中国人消費者の旺盛な消費能力にある。

 一般大衆の「消費」は、現在、中国経済を影で支える一番の動力になっている。

 政府の公式データによると、中国の今年第3四半期までの消費による最終的な総支出は、中国GDP成長における78%以上の貢献率で、前年同期比で14ポイント上昇した。財布にたくさん金を持つ人たちが増え、中国人の驚くべき「爆買い」が今まさに展開されているさなかだ。

 中国のIT大手企業の網易(NetEase)の丁磊(Ding Lei)CE0はこれについて、「中国の消費市場の規模や消費層の多さと階層の幅広さなど、これらはすでに人の想像を大きく超えている。中国人が普遍的に世界の商品を購入する時代がようやくにして始まったのだ」と話す。

 しかし、大手中国EC企業らは単純に商品を大量購入しさえすれば良し、とは考えていない。さらに遠大な志や計画もって新たな輸入構図を作ろうとしている。

 アリババの張勇(Daniel Zhang)CEOは、「同社の今後のビジョンは、2000億ドルの数字のみにこだわっているだけではない。イノベーションやエコロジー、他社との協力によって、デジタル時代の『大輸入計画』モデルを作り出していきたい」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News