【11月10日 時事通信社】トランプ米大統領は9日、メキシコ国境からの不法入国者に関し、難民申請を事実上できなくするよう命じる文書に署名した。米国滞在を続ける手段として用いられることの多い難民申請の道を閉ざし、中米などからの不法移民を阻止するのが狙い。

 トランプ氏は記者団に「人々にわが国へ来てもらいたいが、それは合法的でなければならない」と強調した。ホワイトハウスは声明で「法律上、大統領には米国の利益を損なう外国人の入国を拒否する権限がある」と説明したが、違法だとして訴訟を起こされる可能性が高い。

 国境で拘束された不法入国者は、難民申請を行った後、裁判官による認定審査に出廷せず、不法滞在を続けるケースが多い。トランプ政権は5月、不法入国した成人全員を刑事裁判にかける制度を導入したが、収容施設の整備が追い付かず、実際は多くが早期に釈放されているといわれる。

 米政府が打ち出した新方針は、難民申請の手続き規則を改め、メキシコ国境に関しては申請受け付けを不法入国前の検問所に限定する。ニールセン国土安全保障長官とウィテカー司法長官代行は、声明で「わが国の難民制度は多数の無意味な申請であふれ、本当に難民認定されるべき人の迅速な手続きを妨げている」と訴えた。(c)時事通信社