【11月9日 AFP】シリア南部スウェイダ(Sweida)県で7月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によってイスラム教の少数派ドルーズ(Druze)教徒の女性と子ども数十人が拉致された事件で、シリアは8日、残りの人質19人全員を解放したと発表した。

 人質として過酷な日々を3か月以上過ごし解放された被害者らは、自分たちの居住地で親族に出迎えられた。この間に拉致された人の少なくとも2人が殺害された。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は人質の一斉解放が軍事作戦の結果だと述べた。一方、他の情報筋は捕虜交換の合意により解放に至ったと主張している。

 SANAによると、シリア政府軍は「スウェイダ県から女性と子どもを拉致したテロ組織ISと直接衝突」したと説明。「人質19人全員を解放」し、女性らを連れ去った「テロリスト誘拐犯らを殺害」したと伝えた。

 一方、スウェイダ県に拠点を置くジャーナリストのヌール・ラドワン(Nour Radwan)氏はAFPに対し、残る人質全員の解放は捕虜交換の一環で行われたことを明らかにした。

 ISは7月末、ドルーズ教徒が住民の多数を占めるスウェイダ県を襲撃した際、約30人を拉致。その大半は女性と子どもだった。この襲撃では、7年に及ぶシリア内戦でのドルーズ教徒に対する襲撃で過去最多の死傷者が出ていた。

 映像前半はシリア国営テレビによると同国中部の古代都市パルミラ(Palmyra)近く。食事の場所は不明。後半はスウェイダ県で、解放を祝う人々。8日撮影。(c)AFP/Rim Haddad with Rouba Al-Husseini in Beirut