【11月9日 AFP】中国東部の福建省(Fujian)で7トン近くの有害化学物質が海に流出する事故があり、52人が体調不良に陥っている。地元当局が8日明らかにした。

 事故が発生したのは4日未明。輸送船と埠頭(ふとう)をつないでいた管が破損し、C9芳香族6.9トンが海に流出した。C9は石油製品の一種で、接着剤や印刷用インク、塗料の材料に使われることが多いが、人体に害がある。

 地元環境当局は5日午後までに海水の浄化作業が終了したと述べたが、依然として強い異臭があるほか、地元漁師たちは魚が死んでいると苦情を申し立ている。

 同省泉港区(Quangang)の行政府によると、影響を受けたのは沿岸部の住民で、C9に触れた後、めまい、吐き気、嘔吐、呼吸困難といった症状を訴えた。現在は10人が入院中で、うち1人は汚染された海に落ちて肺炎を起こしたという。

 環境当局は、海水は浄化され、専門家が水質と水産物を検査したと発表。一方、ソーシャルメディア上では、地元行政府は事故の深刻さを隠すつもりで、事態を矮小(わいしょう)化しているとの投稿が相次いでいる。(c)AFP