【11月8日 AFP】アフリカ中部カメルーンの英語圏で今週、中等学校の生徒らが武装集団に拉致された事件で、当局は7日、公表されていた79人の生徒と、先週拉致されていた11人の生徒、合わせて90人が解放されたことを明らかにした。

 90人は全員、北西(Northwest)州の州都バメンダ(Bamenda)にあるキリスト教長老派系の中等学校に在籍していた。

 北西州は、武装闘争を強める英語圏の分離派に対し、当局が激しい弾圧を繰り広げている地域の一つ。

 イッサ・チロマ・バカリ(Issa Tchiroma Bakary)情報相は5日に拉致された「生徒79人全員が解放された」と述べたが、どのような状況下で解放されたかについての詳細は明らかにしなかった。

 生徒の他に校長や教師、運転手の3人が拉致されたが、同情報相によると、3人の消息はまだ分かっていない。

 学校を運営する教会は、さらに11人の生徒が先月31日に拉致されていたことを明らかにした。この11人も現在は解放されているという。

 この教会によると、拉致の発表は、犯人らとの交渉を行うために差し控えられた。また学校は、治安部隊の配備が手薄いバメンダの外れに位置しており、「さらなる通告まで」学校を閉鎖し続けるという。

 今回の事件は、カメルーンでは初めての大規模な集団拉致事件となった。フランス語話者が多数を占める同国で、政治的緊張が高まる中での出来事だった。

 映像後半は、暗い部屋で座る拉致された生徒たち、英語をしゃべる拉致犯。撮影場所と日付は不明。(c)AFP