【11月8日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)は7日、グループF第4節が各地で行われ、マンチェスター・シティ(Manchester City)はシャフタール・ドネツク(Shakhtar Donetsk)に6-0で快勝し、決勝トーナメント進出に前進した。しかし、不可解なPKの判定の恩恵を受けたジョゼップ・グアルディオラ(Josep Guardiola)監督は、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)導入の必要性を訴えた。

 ダビド・シルバ(David Silva)のゴールで先制点を奪っていたシティは前半途中、ラヒーム・スターリング(Raheem Sterling)がゴールに向かって進む中で自らつまずいて転倒すると、ハンガリー人のビクトル・カサイ(Viktor Kassai)主審は意外にもペナルティースポットを指差した。

 この判定についてグアルディオラ監督は、「PKではない。欧州サッカー連盟(UEFA)主催の大会にVARが存在しないことが問題だ」とコメントしている。議論はあるものの、VARはW杯ロシア大会(2018 World Cup)で一定の成果を収めており、チャンピオンズリーグでも2020年から導入される。

 昨季大会準々決勝のリバプール(Liverpool FC)戦で判定に抗議して退席処分を受けたグアルディオラ監督は、今季からチャンピオンズリーグでVARが使用されるよう声を上げていた。

「審判はテクノロジーの助けを借りるべきだ。こういった得点はうれしくないが、それは昨季のリバプール戦でわれわれにも起きている。審判には助けの手を差し伸べなければならない」

 スターリング自身もカサイ主審に対し、チップキックをしようとして地面を蹴りつまずいたとして謝罪したという。「ボールをチップさせようとしたが、何が起きたのかは分からない。相手と接触した感じはなかった。足はボールにかすったけれど、審判には謝った」

 数日前に独誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、シティがUEFAの課すファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の規定を回避するため、スポンサー料の「前借り」をしていたと報じた。これを受けてクラブの上層部は嵐のような騒ぎとなったが、ピッチ上には影響を及ぼすことはなく、公式戦2試合連続で6得点をマークしたシティは、11日に控えるマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)とのダービーに弾みをつけている。

 同組のもう1試合では、退場者を出したホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)が、パベル・カデジャーベク(Pavel Kaderabek)が後半アディショナルタイムにゴールを決めてオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)と2-2で引き分け、グループステージ突破に望みをつないだ。

 本拠地グルパマ・スタジアム(Groupama Stadium)でリヨンは、前半にナビル・フェキル(Nabil Fekir)とタンギ・エンドンベレ(Tanguy Ndombele)が得点すると、ホッフェンハイムは後半立ち上がりにカシム・ヌウ(Kasim Nuhu)が退場処分を受けて窮地に追い込まれた。

 しかしアンドレイ・クラマリッチ(Andrej Kramaric)の得点で1点を返したホッフェンハイムは、後半アディショナルタイム2分にカデジャーベクが劇的な同点ゴールを決めた。

 2011-12シーズン以来の16強入りを目指すリヨンは、グループ首位のシティと3ポイント差の2位につけている。(c)AFP/Kieran CANNING