【11月6日 AFP】経営破綻した後に中国のグループに買収された、仏ファッションブランド「カルヴェン(Carven)」は5日、スイス出身で同ブランドのアーティスティック・ディレクターを務めたセルジュ・ルフュー(Serge Ruffieux)の退任を発表した。わずか2年でブランドを去ることになった。

「カルヴェン」は1945年、マリー・ルイーズ・カルヴェン(Marie-Louise Carven)ことカルメン・デ・トマソ(Carmen de Tommaso)の手によって創業。彼女は戦後フランスのファッション文化を象徴する一人。フレッシュでジョイフルなスタイルを当時の女性たちに提案した。

 数十年ほど人気が低迷したが2000年代後半にリバイバルを果たした。しかしここ2年ほどは監査済みの財務諸表を出していなかった。

 同ブランドが発表した直近の数字によると、2015年は4900万ユーロ(約63億4200万円)の売上に対して、純利益は6万7000ユーロ(約870万円)だった。同年は創業者であるカルヴェンが105歳で死去した年だった。

 活躍が期待されていたルフューは2017年、「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」から「カルヴェン」に移籍。それ以前はソニア・リキエル(Sonia Rykiel)の右腕として活躍していた経験もある。

「カルヴェン」は声明で、「ブランドへのクリエイティブな貢献に感謝」の意を表明したが、退任の理由については述べなかった。

 パリの裁判所は先月、650万ユーロ(約8億4100万円)で中国のアイシクル(Icicle)による買収を承認。これに加え、800万ユーロ(約10億3500万円)投資するとしている。また、従業員のほぼ全員である72人の従業員を残す方法を提案している。(c)AFP