【11月6日 AFP】仏パリの首相府の庭で5日、警察官の遺体が見つかった。当局は自殺とみて捜査を進めている。

 死亡したのは、国防省に所属し一般警察業務も行う国家憲兵隊の隊員(45)。仏首相の住居と執務室があるオテル・ド・マティニョン(Hotel de Matignon)の庭で、官給品の武器の脇に倒れていた。

 エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は、南太平洋の仏特別自治体ニューカレドニア(New Caledonia)出張で不在だった。仏首相府は、警察官の死についてパリ検察と国家憲兵隊が捜査すると明らかにした。

 フランスの警察官の間では、任務の困難さが増す一方で人員は不足し、装備も不十分だとする不満の声が上がっている。8月にはオテル・ド・マティニョンに配属された複数の憲兵隊員が「悪化する労働環境」について苦情を申し立てる匿名の手紙を複数の上官に送り、先月には約200人の警察官がパリで労働環境改善を求めるデモを行った。

 警察労組によると、フランスで自殺した警察官は昨年は51人で、今年はこれまでに24人となっている。このほか、9月18日と今月4日に憲兵隊員が1人ずつ自殺するなど、今年に入って自殺した憲兵隊員は約20人に上っている。(c)AFP