【11月8日 AFP】米首都ワシントンの流行最先端のエリアに住み、大学でマーケティングを専攻するかたわら、有名な保守系団体で働くダンテ・ブッチ(Dante Bucci)さん(22)。東部ニュージャージー州出身の若者は、こざっぱりとした身なりで、話し方も洗練されている。

 だが、全米で最もリベラルな街の一つに数えられるワシントンに住みながら共和党を支持しているブッチさんは、自らの政治観のせいで、交際相手をなかなか見つけられずにいる。魅力を感じる相手は、民主党支持者であることが多いという。

「1回目のデートにこぎ着けることは何度もあるが、2回目に発展することは少ない」とブッチさんは言う。「ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領のせいだと思う」

 2016年の米大統領選で、不動産王トランプ氏のワシントンでの得票率はわずか4%だった。彼を支持した保守派の独り身の若者にとって、答えは明白だ。「みんな、いろんな問題について自分と同じ意見を持つ相手とデートしたがるものだ」とブッチさんはぼやいた。

 ブッチさん自身は妊娠中絶の権利や同性婚を支持しており、穏健派の共和党員を自認する。話を切り出すときに「『僕は共和党員なんだけど、でも…』と、何度前置きしてきたことか」と話す。

■トランプ氏支持者限定出会い系アプリ

 トランプ大統領の支持者向けにぴったりの出会い系アプリもある。「ドナルド・データーズ・ドットコム(DonaldDaters.com)」だ。このアプリのうたい文句はもちろん、トランプ氏が大統領選で掲げたスローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」をもじった「Make America Date Again(米国に再びデートを)」だ。

「こういうアプリの必要性を切実に感じた」とAFPに話すのは、同サイトを開設した共和党支持者のエミリー・モレノ(Emily Moreno)さん(25)だ。10月半ばにアプリをリリースすると、ダウンロード数は4日間で2万件に達したという。