【11月6日 AFP】インターネット上でビットコイン(bitcoin)などの仮想通貨を1ドル分「採掘(マイニング)」するために消費するエネルギー量は、金(きん)1ドル分を掘り出す場合の3倍に上ると、米国の研究者らが5日発表した。仮想通貨の採掘には実物の貴金属の採掘以上のエネルギーを要することが示された形で、2018年にビットコインの採掘に使われるエネルギー量はデンマーク一国の年間消費量を上回る見通しという。

 オンライン誌「ネイチャー・サステナビリティー(Nature Sustainability)」に掲載された論文の主執筆者である米オークリッジ科学教育研究所(Oak Ridge Institute for Science and Education)の研究員、マックス・クラウス(Max Krause)氏はAFPの取材に対し、仮想通貨産業は「年間のエネルギー消費量が多くの国よりも多いまったく新しい産業だ」と指摘した。

 論文によると、デンマークが2015年に消費した電力量が314億キロワット時だったが、ビットコインの採掘には今年、7月1日時点ですでに約301億キロワット時の電力が消費されている。クラウス氏は取材に「2018年に、ビットコインはデンマーク以上のエネルギーを消費する見通しだ」と述べた。

 英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)の報告書によると、今では数百種類の仮想通貨が存在し、その発掘のために世界各地で多数の企業が24時間体制でサーバーを稼働させている。こうした仮想通貨採掘向けサーバー事業者の半数以上は中国にあるとされる。

 仮想通貨の採掘には隠れた環境コストがかかっているということだが、このコストはほとんど計算されておらず、考慮もされていない。仮想通貨の情報サイト「コインマーケットキャップ(coinmarketcap.com)」によると、上位100位の仮想通貨の時価総額は計約2000億ドル(約23兆円)に上り、その半分超をビットコインが生み出している。

 クラウス氏は「仮想通貨採掘の潜在的な環境コストについて広く知ってもらいたい」としている。(c)AFP