【11月14日 AFP】女子テニスのレジェンドであるシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏は、1988年に四大大会(グランドスラム)と五輪を全制覇する「ゴールデンスラム」を達成し、世界中から称賛を集めた。しかし、それから30年が経過した現在、そうした過去の栄光について考えることはほとんどないと明かした。

 1999年に現役を引退し、その2年後に元男子テニスのアンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏と結婚したドイツ出身のグラフ氏は、それから長い月日が経ち、自身の記録が追いつかれようと破られようと気にしなくなっていると話した。

 グランドスラムの優勝回数でマーガレット・コート(Margaret Court)氏が樹立した歴代1位の記録に並ぶのに、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が苦労している中、グラフ氏の発言は大記録に対して異なる見方を伝えるものとなっている。

 昨年、オープン化以降では史上最多だったグランドスラム通算22勝の記録をセレーナに破られたグラフ氏は「記録の数々は、素晴らしい思い出であり貴重な時間」とすると、「自分ではめったに振り返らないけれど、そうする時は必ず自分の人生全てを振り返る瞬間になる。それでも記録にこだわるようなタイプではないし、気にしたことは一度もない」と続けた。

 また、男女通じて年間グランドスラムを達成した最後の選手になっているグラフ氏は「テニスであのようなキャリアを築き、それに全てをささげ、引退して次の人生を始められたのは本当に幸運なこと。自分の記録は、もはや人生において気に留めることではなく、重要なものではないと感じる」「自分の記録がずっと残るかどうかは、ほとんど気にしていない」と付け加えている。

 セレーナは出産を経て今年からツアーに復帰すると、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)で決勝まで勝ち進み、コート氏に肩を並べるチャンスを2度つかんだ。

 グラフ氏は、37歳のセレーナがコート氏の記録に追いつけるか疑ったことはないと話し、「彼女は何度もその力を証明している。彼女が成し遂げようとしていることは信じられないほど素晴らしい」とすると、「彼女ができない理由は何もないと感じる」と強調した。

「彼女は素晴らしい決断力の持ち主。強い意志に加えて、素晴らしいテニスと才能を持っている」

 セレーナは2002年~2003年と2014年~2015年の2度にわたり、グランドスラムで4大会連続のタイトル獲得に成功しているが、同一年にメジャーのトロフィーを総なめにしたことは一度もない。男子で年間グランドスラムを成し遂げたのは1969年のロッド・レーバー(Rod Laver)氏が最後となっており、同氏にとってはその時が2度目の快挙達成となった。(c)AFP/James EDGAR