【11月3日 AFP】元陸上男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏は、サッカー豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)でのトライアル期間が終了したにもかかわらず、プロのサッカー選手になる可能性を譲らず、「まだやれる」と話している。

 五輪で8個の金メダルを獲得したボルト氏は、マリナーズとの契約交渉が決裂し、「無期限」とされていた同クラブでのトライアウトが2日に取りやめになった。報道によると、マリナーズが提示した金額は同氏側が求めていた300万豪ドル(約2億4000万円)に遠く及ばず、契約をまとめるには外部のスポンサーが必要だと伝えられていたが、それも見つからなかった。

 陸上男子100メートルと200メートルの世界記録保持者であるボルト氏は3日、メルボルンで行われる競馬のビクトリアダービー(Victoria Derby)に、スーツとサングラスを着用し、握りの部分が金色のつえを持って姿を現すと、地元紙ヘラルド・サン(Herald Sun)に対して、「うまくいかなくて残念だ」と口を開いた。

「しかし、別れが円満だったことは良かった」「チームでは素晴らしい経験ができたし、選手たちは最高だった。契約を結ぶことはできなかったけれど、また他のチームでチャンスがあることを期待している」

 またしても夢は実現しなかったものの、これからもプロのサッカー選手を目指すのか問われると、32歳のボルト氏は「もちろんだ」「どうなるか様子を見ていく。今ごろは、また代理人に連絡がきていると思うから、どういう方向にいくか見守っていく」と話した。

「自分としては、まだやれることが分かった」「かなり成長した手応えがある。最初の試合から最後の試合までご覧の通り、ずいぶん成長したし、うまくなった。少し厳しくなっていることは自覚したけれど、とにかくチームとともに懸命に努力して練習していくだけだ」 (c)AFP