【11月3日 AFP】男子テニス、パリ・マスターズ(Rolex Paris Masters 2018)は2日、シングルス準々決勝が行われ、大会第2シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が4-6、6-2、6-3で第5シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)から逆転勝利を飾り、ベスト4入りを果たした。

 通算4度の大会制覇を誇るジョコビッチは、これまでの対戦成績が15勝2敗と相性の良いチリッチに対して、第1セットに3回のブレークポイントを握ったものの、相手に手堅くしのがれてしまった。

 このセットはチリッチが第10ゲーム目で先取し、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の覇者であるジョコビッチのセット連取記録を30で止めた。しかし、第2セットでは四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇る王者が猛反撃を開始し、2度のブレークに成功してセットカウント1-1に持ち込んだ。

 最終セットでは、今年6月のフィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2018)決勝で31歳のジョコビッチを撃破したチリッチが、先にブレークして2-1と主導権を握った。ところが、次のゲームではジョコビッチがすかさずブレークバックに成功すると、第8ゲームでも再びブレークして勝利を決定づけた。

 ジョコビッチは試合後、「厳しい試合だった。第3セットは1ブレークダウンとされてしまった。どちらに転ぶか分からない試合だった」とすると、「勝ったのは自分だけれど、彼が勝っていてもまったくおかしくなかった」とコメントした。

 今年のウィンブルドンからの通算成績が30勝1敗と絶好調で、今年8月に行われたロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2018)3回戦でステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)に敗れたのが唯一の黒星だったジョコビッチは、4日の決勝でタイトルを獲得すれば、ナダルと並び通算33回目のマスターズ1000(ATP World Tour Masters 1000)制覇を果たすことになる。

「とにかく準決勝に行けてうれしい」「もっと良いプレーができると思う。今夜の試合では、プレーが絶好調だったときもあれば、いまひとつだったときもあった。だから、次に向けて改善していかなければならない課題がある。試合を楽しみにしている」

 次週発表される最新の世界ランキングでラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)から王座を奪取することが確定しているジョコビッチは、これで連勝記録を21に伸ばし、準決勝では通算100回目のタイトル獲得を目指す第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を迎え撃つことになった。

 そのフェデラーは、同日の準々決勝で第10シードの錦織圭(Kei Nishikori)を6-4、6-4で下し、決勝進出を懸けて3日にジョコビッチとの通算47回目の対戦に臨む。

 もう一つの準決勝のカードは、第6シードのドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)とノーシードのカレン・カチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)の顔合わせとなった。

 先月のクレムリン・カップ(Kremlin Cup 2018)で優勝したカチャノフは、覇気に欠けていた第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)を6-1、6-2でたたきのめし、ティエムは前回覇者で第16シードのジャック・ソック(Jack Sock、米国)を4-6、6-4、6-4で退けた。(c)AFP