【11月2日 AFP】モータースポーツの最高峰フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)が新たな市場開拓に乗り出している中、ベトナムが2020年4月に東南アジアでは3番目の国としてグランプリを開催する見通しとなった。同国の首都ハノイ市の関係者が1日、明らかにした。

 F1レースを開催することになったハノイ市人民委員会(Hanoi People's Committee)は、次週行われる祭典でサーキットのお披露目を予定しており、同日発表した書簡で「2020年4月からF1世界選手権の正式な開催資格を得るために、ハノイ市は協力することを決定した」と述べた。

 ベトナム政府はレース開催への支持を表明していたものの、国家予算を投入することについては否定的だった。同国政府官房長官のマイ・ティエン・ズン(Mai Tien Dung)氏は今年8月、開催費用については「巨額」の広告収入で賄うことが望ましいと述べていた。

 ハノイ市の関係者は当初、レースコースとしてにぎやかな旧市街に程近く、美しい景観で知られるホアンキエム湖(Hoan Kiem Lake)付近を予定していたが、道路の幅が広い国立競技場周辺のルートに決定した。

 統括団体の国際自動車連盟(FIA)は1日、AFPの取材に対して回答は出さなかった。レースディレクターのチャーリー・ホワイティング(Charlie Whiting)氏は先日、報道陣に対してハノイを訪れたことを明かすと、2020年までにサーキットが間に合うことに自信を見せていた。

 FOXスポーツ(Fox Sports)はホワイティング氏の話として、レースの大部分は既存の道路で行われる見通しであるものの、一部区間は建設が必要になることについては「これまでの経験から、そのことは問題にはならない」と伝えた。(c)AFP