【11月2日 AFP】大韓サッカー協会(KFA)は1日、兵役免除のために虚偽の書類を提出した同国代表DF張賢秀(Jang Hyun-soo、チャン・ヒョンス)に、永久追放処分を科すと発表した。張は現在、Jリーグ1部(J1)のFC東京(FC Tokyo)でプレーし、2016年リオデジャネイロ五輪に出場するなど代表通算58キャップを記録している。

 KFAは張への処分に関するコメント文を発表し、「これはいかなる選手であっても、物議を醸すようなことがあった場合は、代表チームに加わることはできないという認識を強化するものである」とすると、今回の厳しい処罰については「将来、同様のケースが起きることを防ぐため」と説明した。

 今後は代表としてプレーすることはできなくなる張はまた、チームの「威厳を損ねた」として、罰金3000万ウォン(約300万円)を科された。

 韓国では、健康な男子は基本的に全員、18歳から28歳までの間に約2年間の兵役に服す必要があることが法律で定められているが、五輪のメダリストとアジア競技大会(Asian GamesAsiad)の金メダリストは特別にこれを免除される。ただしその場合でも、最大60日間の基礎的な軍事訓練を受け、544時間のスポーツ関連の社会奉仕活動に従事しなければならない。

 その中で、2014年の第17回アジア大会(17th Asian Games)でテグ・ウォリアーズ(Taeguk Warriors、韓国代表の愛称)の優勝に貢献して徴兵を回避した張は、2017年12月に約200時間の奉仕活動を行ったと記した書類を提出した。しかし後日、屋外でレッスンを開講したと言っていた当日に大雪が降っていたことが発覚。本人も先日、自分の誤りを謝罪した上で今シーズン終了後に奉仕活動を行う意向を示していた。

 韓国の兵役義務については、スポーツ選手やアーティストが1度の業績で免除されるのは不公平だという批判の声が出ており、政府も制度の見直しを示唆している。

 インドネシアで行われた今年のアジア大会(18th Asian Games)でも、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)でプレーする韓国サッカー界のスター、孫興民(Heung-Min Son、ソン・フンミン)をはじめ、多くの選手が金メダルを持ち帰って兵役免除の権利を獲得した。(c)AFP