【11月1日 AFP】ロシア宇宙当局は1日、先月宇宙飛行士2人を乗せて国際宇宙ステーション(ISS)へ打ち上げられた宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」が緊急着陸を余儀なくされた問題について、組み立て時に損傷を受けたセンサーが原因だったと発表した。その一方で、ソユーズの信頼性に変わりはないと強調した。

 ソユーズに乗っていた米国のニック・ヘイグ(Nick Hague)、ロシアのアレクセイ・オフチニン(Alexey Ovchinin)両飛行士はカザフスタンへの弾道降下に耐え、無事生還した。

 ただ世界で唯一ISSへの有人輸送を行っているロシアは、先月11日の失敗を受けてすべての打ち上げを延期していた。

 調査委員会の委員長は1日に行った記者会見で、同機が緊急着陸したのは、ロケットの切り離しを検知するセンサーの一部が、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地(Baikonur Cosmodrome)での組み立て時に故障したことに起因すると発表。

 この組み立て時の「損傷」が、1段目のブースターの機能不全を引き起こし、燃料タンクに衝突して「安定性の喪失」を招き、緊急直陸に至ったとしている。

 ただソユーズを開発した同国の宇宙開発企業エネルギア(Energia)のドミトリー・バラノフ(Dmitry Baranov)氏は同日、「ソユーズが最も信頼性の高いロケットであることに変わりはない」と強調した。

 前日の10月31日には、ロシア国営宇宙企業ロスコスモス(Roscosmos)のセルゲイ・クリカリョフ(Sergei Krikalyov)氏が、問題の根本はソユーズロケットの1・2段目の分離を知らせるセンサーにあったと明かしていた。

 また同社のアレクサンドル・ロパーチン(Alexander Lopatin)氏は、今回の調査を基に「該当する法執行当局」が組み立て時の過失の責任者を特定すると明かし、「あらゆる事故には(当事者の)実名が伴う」と話していた。

 同社は同時に、来月3日に宇宙飛行士3人を乗せてソユーズの打ち上げを再開する方針も発表している。(c)AFP