【11月10日 東方新報】中国で現在、若い人たちの結婚費用が日増しに高くなっている。結婚関連の準備には、双方あるいは一方の家庭の貯蓄すべてを失ってしまうというのは大げさな話ではない。そんな中、マイホームや車を買わず、指輪も買わず、式も挙げず、ハネムーンも行かずただ「籍だけを入れる結婚」という夫婦がいる。

 中国で「裸婚(Luohun)」(何もなし婚)と言われるこの結婚スタイルは、経済的条件に限定される「やむを得ない」場合と、「愛さえあれば何もいらない」というのがスタンスだ。現在、どのくらいの人がこの「何もなし婚」を受け入れられるのだろうか。

 中国青年報社社会調査センターが2004人の若者を対象に実施したアンケートによると、92.8%が自分たちの周りに「何もなし婚」をした知り合いがいると回答した。

 また、「『何もなし婚』を受け入れられる」と回答した48.3%の若者に対し20.5%が「受け入れられない」、31.2%が「どちらとも言えない」と答えている。

 またアンケートの分析から、「『何もなし婚』を受け入れられる」と回答した男性の比率(56.7%)が女性(41.1%)よりも高く、都市別では北京、上海、広州(Guangzhou)、深セン(Shenzhen)など「一級都市」が54.5%で最も高く、世代別では2000年代に生まれた人たちのことを指す「00後」世代が58.6%と最も高い比率であることがわかった。

■「費用の節約」が何もなし婚の一般的原因と認識されているが・・・

 浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)の企業で経理をしている27歳の陳然さん(仮名)は来年に結婚する予定だ。「何もなし婚」とは車や家は不要、式も挙げない、2人で直接、籍を入れることが「結婚」、というのが陳さんの認識のようだ。「多くの友人が結婚後に家も車も買わなかった。ただ結婚式に関しては基本的にみな挙げていたけど、ある友人の結婚式はとても質素だった」

 重慶市(Chongqing)で小学校の教員をしている万頌伊さん(仮名)は、「私が当時結婚した時は家や車、結納金も無かった」ときっぱり。万さんが夫と結婚した当時はいわゆる「何もなし婚」だった。「夫の経済状況が良くなかったけど、私たちの夫婦愛は深く、毎日を2人で楽しく過ごし、一緒に頑張っていきたいと思っていました」と話す。