【11月7日 CNS】伝統的に自動車販売が最も熱いとされる9月と10月、中国の自動車業界にとって収穫の秋どころか、初冬の寒さとなってしまったようだ。

 中国汽車工業協会の最新データによると、9月の中国自動車生産台数は235万6000台、前年同期比11.7%減、販売台数は239万4000台で前年同期比11.6%減となり、7月以来の低迷が続いている。

 データを見ると、1月~9月の自動車生産・販売累計台数は共に2049万1000台。前年同期比で生産が0.9%増、販売が1.5%増だったが、前8か月に比べ成長速度は生産が1.9ポイント下降、販売が2ポイント下降だった。

 工業情報化部の辛国斌(Xin Guobin)副部長は先日、第3四半期に至る工業・通信産業の発展状況について語り、「自動車の生産販売が大きく成長することを望んではいるが、実態は落ちて来ている。特にこの3か月はマイナス成長が続いている」とのことだ。

 低迷する状況に対し、市場の関係者の中には「中国自動車市場はすでに厳冬期に入った」との論調が出てきた。辛副部長は、これに対し「今後の中国自動車産業の成長は依然として大きな空間がある」と述べた。

 業界の専門家も、記者の取材に対し「『厳冬期』の言い方はありえない。今の低迷は短期的現象に過ぎず、長期的に続くものではない。今後も、中国の自動車市場には巨大な成長できる空間がある」と語った。

■市場の減速は正常か?

「このマイナス成長は正常で、原因はいくつかある」と辛副部長は言う。

 自動車市場が減速した原因について、全国乗用車市場情報連絡会の崔東樹(Cui Dongshu)秘書長は、「近年の中国の自動車市場は連続して快調に成長を続けてきた結果、スタートラインが高いところにあり、継続成長は簡単ではない。自動車購入時に納付する『購置税』半減の優遇策が今年から無くなり、購買力はその分弱くなった。同時に、中西部地区の不動産市場の景気が好転し、消費者の資金が不動産に流れたことが販売不振の背景にある」と説明する。