【11月1日 AFP】欧州連合(EU)加盟28か国は10月31日、使い捨てプラスチック製品の一部をEU域内で禁止する法案を承認した。大量のプラスチックごみが海洋汚染の原因になっていると指摘される中、全面禁止に向けさらに一歩近づいた形だ。

 欧州議会(European Parliament)は先週、ストロー、フォークやスプーンなどの食器類、綿棒の柄、風船の持ち手といった使い捨てプラスチック製品をEU域内で禁止する法案の採決を行い、圧倒的多数の賛成で可決していた。

 EUは12月の草案承認、2021年の施行を視野に、来週から詳細な法案作成に取り掛かる予定。

 EUの首脳会議である欧州理事会(European Council)も、代替品があることを理由にプラスチック製品の使用中止を支持しており、プラスチックごみの清掃に関する責任を割り当てる意欲も示している。

 またEUの政策執行機関である欧州委員会(European Commission)は、清掃にかかる費用についてプラスチック製品の生産者が支払うべきだと主張しており、プラスチック製品の輸入・販売を行う企業も分担金を払うよう求めていく考えだ。

 欧州委員会はさらに、環境に配慮した代替品のない使い捨てプラスチック製品について、各国に削減目標を定めるよう呼び掛けている。

 NGOの連合体である「リシンク・プラスチック(Rethink Plastic)」はEUにおけるプラスチック製品禁止に向けた動きを歓迎している一方、これまでに浮上している提案が義務的な内容ではないことに落胆を示している。

 欧州委員会によると海や海岸のごみの70%余りが使い捨てプラスチックで、先週発表された調査では人間の排せつ物から微小なプラスチック片が検出されていたことが明らかとなり、食物連鎖の中にプラスチックが広く存在することが初めて示された。(c)AFP