【10月31日 AFP】米当局は、米仏の航空宇宙企業からの技術窃盗を目的とする5年間のハッキング計画に関与した罪で、情報部員2人を含む中国人10人を起訴した。

 米司法省は今月9日、ベルギーで逮捕された中国の上級情報部員の身柄の引き渡しを受けた。米国で裁判にかけるための措置で、同様の身柄引き渡しは史上初。この情報部員は、米航空産業を標的とする国を後ろ盾とした機密窃盗活動を指揮していたとされる。

 米司法省によると、中国国家安全省は同国東部江蘇(Jiangsu)省の部隊を通じ、民間航空機向けのターボファンエンジンの技術を盗む作戦を計画。標的のエンジンは、江蘇省蘇州(Suzhou)市に事務所を置くフランスの航空宇宙製品メーカーと米企業の協力で開発が進められていた。

 企業名は明かされていないが、これまでに提出された複数の起訴状で、航空エンジン製造大手の米GEアビエーション(GE Aviation)の名前が挙がっている。また、エンジン開発で同社と提携する仏航空宇宙大手サフラン(Safran)は、蘇州市に事務所を置いている。

 ジョン・デマーズ(John Demers)米司法次官補は「この件は始まったばかりだ。連邦政府の他の機関と協力して、米国の独創力と投資を守る取り組みを強化していく」と述べた。(c)AFP/Paul HANDLEY