【10月30日 AFP】欧州連合(EU)加盟各国の運輸相らは29日、欧州委員会(European Commission)が来年の夏時間廃止を提案していることについて、来年というのは非現実的であり、廃止する方法について意見の食い違いが残っていると指摘した。

 来春任期満了を迎える同委員会のジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長は、8月にこの提案を行っていた。

 この計画は、約460万件の回答が寄せられたオンライン調査に基づいて掲げられたもので、欧州委員会が市民の声に耳を傾けるということを実証してみせる動きとも受け止められている。

 オーストリアのノルベルト・ホーファー(Norbert Hofer)運輸相は、夏時間廃止という方針については加盟国の大半が合意しており、オーストリアとしても「なるべく早く」廃止したいものの、来年というのはハードルが高過ぎると指摘。

「分野によっては技術的な準備が必要になるだろう…例えば航空業界は、準備に少なくとも1年半は必要としている」と話した。ホーファー氏は、タイムゾーンが変わることで、既に決まっている各航空会社の着陸時間帯にも影響が出かねないと説明している。

 同氏によると、オーストリアが先に、変更の開始年を2021年にすべきと提案したところ、「広範な合意」が得られたという。(c)AFP/Jastinder KHERA