【10月30日 AFP】カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサンパウロFC(Sao Paulo FC)に所属するMFダニエル・コレア(Daniel Correa)選手(24)が、惨殺遺体で発見されたことが判明した。このニュースを受けて同国サッカー界は29日、衝撃に見舞われ、各チームと選手が哀悼の意を表した。

 サンパウロFCは同日の練習前、2015年にチームに加入したコレア選手に1分間の黙とうをささげた。クラブのコメント文によると、期限付き移籍で2部のサンベント(Sao Bento)でプレーしていたコレア選手は、「先週末に遺体で発見された」という。

 ブラジル南部パラナ(Parana)州の地元警察は、コレア選手の遺体が州都クリチバ(Curitiba)郊外の田園地帯で27日に発見されたと発表。事件の捜査は「進展」していることに加え、同選手の家族が事情聴取を受けることになると明かした。

 現地紙フォーリャ・デ・サンパウロ(Folha de Sao Paulo)は警察の話として、コレア選手が刃物で喉を切り裂かれて頭部が落ちる寸前の状態であったほか、局部も切断されていたと伝えた。

 ブラジルは世界で最も治安の悪い国の一つとして知られており、昨年は人口10万人当たりで30.8人に相当する過去最多の6万3880人が殺害された。

 ミナスジェライス(Minas Gerais)州出身のコレア選手は、地元の強豪クルゼイロEC(Cruzeiro EC)のユース選手として期待され、2013年にリオデジャネイロに本拠地を置くボタフォゴFR(Botafogo FR)でプロデビューし、元オランダ代表のクラレンス・セードルフ(Clarence Seedorf)氏らとプレーした。

 ドリブルの技術に定評があることから「ダニエル・メッシ(Daniel Messi)」との異名を持ったコレア選手だったが、2014年に深刻な膝のけがをすると活躍の機会が限られ、当初の期待に応えることはできなくなっていた。(c)AFP