【10月30日 AFP】仏パリで開催中の人権擁護者世界サミット(Human Rights Defenders World Summit)で、ブラジルからフィリピンまで世界各地で人権活動家が標的となる殺人事件が急増していると警告する声が上がっている。

 同サミットは29~31日の3日間の日程で、世界105か国から人権活動家ら150人以上が参加している。サミットを後援する国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)や国際人権連盟(FIDH)などが初日に発表した声明によると、2017年には少なくとも312人の人権活動家が殺害され、殺人率は2015年比で倍増した。また「ほとんど全てのこうした殺人事件において、犯人らは処罰を逃れている」という。

 アイルランド・ダブリンに拠点を置く人権活動家保護団体「フロントライン・ディフェンダーズ(Front Line Defenders)」のアンドリュー・アンダーソン(Andrew Anderson)代表は、「2018年の統計ではさらに増えるだろう」と述べた。

 同氏は人権活動家の殺害件数が多い国の上位は、メキシコ、コロンビア、ブラジル、フィリピン、グアテマラ、ホンジュラスなどで、今年の犠牲者数はすでに昨年を上回っていると指摘。「勇気ある人権活動家が直面する脅威とリスクのレベルは並大抵ではない」と訴えた。(c)AFP