【10月30日 AFP】インドネシアの格安航空会社(LCC)ライオン航空(Lion Air)の旅客機が29日、首都ジャカルタの空港を離陸して間もなく、乗客乗員189人を乗せたまま同市沖に墜落した。インドネシア国家捜索救助庁は、189人全員が死亡した可能性が高いと発表した。

 バンカ(Bangka)島のパンカルピナン(Pangkal Pinang)に向かう予定だったボーイング(Boeing)737型機は、午前6時30分(日本時間同8時30分)ごろに管制との連絡を絶っていた。

 同機は離陸後わずか13分後に海へと墜落。現場海域で撮影された映像には、水面に漂う油膜が捉えられている。また、脱出用シューターやライオン航空のロゴが入った機体の残骸を写した写真も公開されている。

 運輸省航空総局(NTSC)は、「この旅客機には、乗客の大人178人、子ども1人、乳児2人、さらに操縦士2人、客室乗務員6人が搭乗していた」と発表。外国人が乗っていたかどうかは、現時点では分かっていない。

 国家捜索救助庁の長官は報道陣に対し、「発見された犠牲者らの遺体は損傷を負っており、また既に何時間も経過していることから、生存者はいないというのが私の見方だ。189人が死亡した可能性が高い」と述べた。

 同庁報道官はAFPに対し、同機は水深30~40メートルほどの地点に沈んでいると明かした。

 近年急速に事業を拡大してきたライオン航空は、過去にも複数の事故に見舞われている。2004年には死者を伴う墜落事故を起こした他、同社の旅客機2機がジャカルタのスカルノ・ハッタ(Soekarno-Hatta)空港で衝突する事故も発生している。

 映像は、ジャカルタの病院に到着する収容された遺体、破片が浮かぶ墜落現場の海。29日撮影。(c)AFP/Harry PEARL