【10月29日 AFP】ワールドシリーズの舞台で2年連続で失意に陥る中で、ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のクレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)は、まだ自身の今後についてじっくり考えを巡らせる心の余裕はないかもしれない。しかし、彼にとって28日のボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)戦は、ドジャースでの最後の登板になる可能性がある。

 押しも押されもせぬこの世代のナンバーワン投手であるカーショウだが、今季もその経歴にワールドシリーズ優勝の文字が書き込まれることはなかった。

 昨年のヒューストン・アストロズ(Houston Astros)とのシリーズ第7戦では、本拠地ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)で敗れ去るチームを見つめた。そしてこの日は3本塁打を浴びて1-5の敗戦の要因となり、またしても本拠地で相手が勝どきを上げる胸の痛みに耐えなくてはならなかった。

 プロ入りからドジャース一筋で過ごしてきたカーショウは、今季終了とともに2年残っている球団との契約を破棄できる権利を手にする。そしてサイ・ヤング賞(Cy Young Award)受賞3回のエース左腕は、シーズン中ずっと、この権利を行使するつもりはあるかという質問を受けてきた。それでも敗戦直後の今、カーショウの心はチームメートとともにある。

「まあ、僕の去就に関する質問が出るのは当然だと思っている。ただ今はその話をして、今夜のことや、今みんなが感じていることを台無しにしたくはない」「僕だけにフォーカスするようなことは勘弁してほしいんだ」「今夜のことはみんなにとってつらい経験だった。本当にね」

 2014年に総額2億1400万ドル(約240億円)でドジャースとの契約を更新し、今後2年間の年俸は合わせて6500万ドル(約73億円)に達するカーショウは、3日間かけて今後について判断する予定で、今はまだ何も決めていないと繰り返した。「色々なことが起こる3日間になるだろうし、そこで心を決めたい。話し合いをすることは間違いないと思う」 (c)AFP/Rebecca BRYAN