【10月29日 AFP】18F1第19戦メキシコGP(Mexican Grand Prix 2018)は28日、決勝が行われ、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が通算5回目となるドライバーズタイトルを獲得し、ファン・マヌエル・ファンジオ(Juan-Manuel Fangio)氏の記録に肩を並べた。

 7位以内に入ればタイトルが決まる状況の中で、ハミルトンは決勝で4位に入り、2008年、14年、15年、17年に続く年間優勝を確定させた。年間タイトルへ望みをつなぐにはこのレースを勝つしかなかったフェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は2位となり、レッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が優勝を果たした。

 ハミルトンが表彰台入りを逃した大会で王座獲得を決めるのは3回目になるが、これで年間優勝回数は7回のミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏に次ぐ通算2位タイとなり、とりわけ偉大なドライバーの仲間入りを果たした。

 ハミルトンはレース後、声援を送るファンに「ドーナツ」スピンを披露した後、マシンを降りてチームスタッフの腕の中へ跳び込んだ。

 ベッテルからも祝福されたハミルトンは、「今はすごく変な気分だ」と話し、タイヤの減りとの戦いとなったレースを生き残ったことについて「恐ろしいレースだった。何が起こったかまったく分からない」、「バルテリ(・ボッタス〈Valtteri Bottas〉)も僕も苦しんでいて、ひたすら粘って完走しなければならなかった」と続けた。

「メルセデスとは13歳の頃からの付き合いだし、ファンジオがメルセデスで成し遂げたことをこうして達成できて信じられない。今はまったく現実感が湧かない」「ただただものすごく恐れ多いよ。もちろん夢ではあったけど、5回目のチャンピオンとしてここに立てるなんて考えもしなかった」

 3番手から決勝に臨んだハミルトンは力強いスタートを切ったものの、タイヤの摩耗に悩まされ続け、結局は表彰台を諦めてタイトル獲得に専念する慎重な走りに落ち着いた。

 予選でダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)の後塵(こうじん)を拝したフェルスタッペンは、ベッテルに17秒以上の差をつけての優勝。今季運のないリカルドは、ポールポジションからのスタートながら、残り9周でリタイアを強いられた。

 ベッテルのチームメートであるキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)が表彰台フィニッシュを果たし、ハミルトン、ボッタスと続いた。

 6位はルノー(Renault)のニコ・ヒュルケンベルグ(Nico Hulkenberg)で、7位はザウバー(Sauber)のシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)。マクラーレン(McLaren)のストフェル・バンドーン(Stoffel Vandoorne)、ザウバーのマーカス・エリクソン(Marcus Ericsson)に続いて、トロ・ロッソ(Toro Rosso)のピエール・ガスリー(Pierre Gasly)が10位入賞を果たした。(c)AFP