【10月29日 AFP】大韓サッカー協会(KFA)は28日、同国代表DFの張賢秀(Jang Hyun-soo、チャン・ヒョンス)が兵役免除に必要な社会奉仕活動の記録を偽装したため、11月の代表戦での招集を辞退したと発表した。

 韓国では、健康な男子は基本的に全員、18歳から28歳までの間に約2年間の兵役に服す必要があることが法律で定められているが、五輪のメダリストとアジア競技大会(Asian GamesAsiad)の金メダリストは特別にこれを免除される。ただしその場合でも、最大60日間の基礎的な軍事訓練を受け、544時間のスポーツ関連の社会奉仕活動に従事しなければならない。

 その中で、2014年の第17回アジア大会(17th Asian Games)で優勝し徴兵を回避した張賢秀は、2017年12月に約200時間の奉仕活動を行ったと記した書類を提出した。しかし後に、張が屋外でレッスンを開講したと言っていた日に大雪が降っていたことが発覚し、本人もうそを書いたことを認めた。

 これを受けてKFAは声明を出し、張賢秀が「議論を巻き起こした」ため、11月にオーストラリアで行う同代表およびウズベキスタン代表との親善試合の招集メンバーに含めないことを発表した。声明によれば、奉仕活動にあてたいので代表から外してほしいという申し出が本人からあったという。

 選手本人も声明で、「みなさまを失望させてしまったことを、大変申し訳なく思います」と謝罪した。そして「今回のことを深く後悔しています」と話し、シーズン終了後、「誠実に」活動に取り組むことを誓った。張賢秀は2016年のリオデジャネイロ五輪や、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)でも代表としてプレーしている。

 韓国の兵役義務については、スポーツ選手やアーティストが1度の業績で免除されるのは不公平だという批判の声が出ており、政府も制度の見直しを示唆している。

 インドネシアで行われた今年のアジア大会(18th Asian Games)でも、イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)でプレーする韓国サッカー界のスター、孫興民(Heung-Min Son、ソン・フンミン)をはじめ、多くの選手が金メダルを持ち帰って兵役免除の権利を獲得した。(c)AFP