【10月29日 AFP】(更新、写真追加)ブラジルで28日、ミシェル・テメル(Michel Temer)大統領(63)の任期満了に伴う大統領選の決選投票が行われ、元軍人の極右ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)下院議員が左派のフェルナンド・アダジ(Fernando Haddad)元サンパウロ市長(55)を破り、当選を果たした。ボルソナロ氏は「ブラジルの運命を共に変えていく」と勝利を宣言した。

 選挙管理当局の発表によれば、開票率99.7%の時点で自由社会党のボルソナロ氏が55.18%の票を獲得した。

「ブラジルのトランプ」などとも呼ばれるボルソナロ氏は選挙戦で、確固たる政権支配によってブラジルを危機から救うと公約。拷問のあからさまな支持や、女性や同性愛者、黒人への差別的発言には非難もあったが、既存勢力への怒りを吸い上げて勝利につなげた。

 ボルソナロ氏はフェイスブック(Facebook)でライブ配信した勝利演説で「聖書と憲法に従って統治する」とも表明。「社会主義や共産主義、ポピュリズム、左派の過激主義と戯れ続けるわけにはいかない」と左派との対立を鮮明にした。ボルソナロ氏は先月6日に暴漢に腹部を刺されて以降、フェイスブックを拠点に選挙活動を行った。

 選挙戦では両候補の間で世論が二極化。敗北が決まったアダジ氏は、自身に投票した「4500万人の自由を守る」ために働くと強調した。ボルソナロ氏は以前、左派の政敵らを「国外追放するか刑務所に入れる」と発言していた。

 ボルソナロ氏は2019年1月に大統領に就任する。(c)AFP