【10月26日 AFP】欧州連合(EU)の欧州議会(European Parliament)は25日、クリミア(Crimea)半島のロシアによる併合に抗議した後、同国で収監されたウクライナ人映画監督オレフ・センツォフ(Oleg Sentsov)氏(42)に、権威ある人権賞「サハロフ賞(Sakharov Prize)」を授与し、ロシアに対して同氏の解放を訴えた。一方、ロシア外相は同氏の受賞を「完全に政治化」された動きであると激しく非難した。

 欧州議会はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領によるウクライナの一部占領を不当とみており、センツォフ氏への同賞授与でプーチン氏に再びこの問題へ取り組むよう促した。

 欧州議会のアントニオ・タヤーニ(Antonio Tajani)議長は「映画監督のオレフ・センツォフ氏は勇気と決意を通して、自身の命を危険にさらすことによりロシアと世界中の政治囚解放のための闘いの象徴となった」と語った。

 センツォフ氏は自身の出生地クリミアでの放火の罪で2015年に有罪となり、北極圏(Arctic Circle)北部のロシアの矯正労働収容所で懲役20年の刑に服している。

 センツォフ氏は5月14日、ロシアにいるウクライナ人政治囚全員の解放を求めてハンガーストライキを開始。同氏の健康状態の悪化には国際社会から抗議の声が上がっていた。センツォフ氏は今月初め、強制摂食を避けるため145日間に及んだハンガーストライキを中止していた。(c)AFP/Hervé ASQUIN with Lachlan CARMICHAEL in Brussels