【10月25日 AFP】イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)迫害問題について調べている国連(UN)調査団のマルズキ・ダルスマン(Marzuki Darusman)団長は24日、国連安全保障理事会(UN Security Council)が開いた会合への報告で「ジェノサイド(大量虐殺)は今も続いている」と述べ、この問題を国際刑事裁判所(ICC)へ付託するよう求めた。

 ミャンマーに関する国連事実調査団(UN Fact-Finding Mission)のダルスマン団長は記者会見で、この問題は大虐殺の範囲を越えて、標的とされている民族の排斥や断種、広範囲に及ぶ難民キャンプへの強制移動などが含まれていると指摘した上で、「ジェノサイド(大量虐殺)は今も続いている」、「このジェノサイドの目的は、かなり的確に推定できると考えている」と語った。

 この安保理会合は欧米主要国の呼び掛けで開かれたが、中国とロシアは開催に反対していた。

 ミャンマー政府は、ロヒンギャ72万人が国境を越えて隣国バングラデシュに逃れることになった昨年の弾圧で、ミャンマー軍が残虐行為を行ったとの疑惑を否定している。

 ダルスマン団長によると、この弾圧で約390か所の村が滅ぼされ、ロヒンギャ1万人が殺害された。同団長は、バングラデシュに避難しているロヒンギャがミャンマーに安全に帰還し、尊厳を保ちつつ生活を維持する環境は整っていないと指摘した上で、仮に帰還させようとしても死者をいっそう増やす恐れがあると警鐘を鳴らした。(c)AFP