【10月25日 AFP】(更新)香港の航空大手キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)は24日、同社が大規模なデータ流出の被害を受け、影響の及ぶ乗客が最大で940万人に上ることを明らかにした。流出した情報は、パスポート番号、身分証明書番号、電子メールアドレス、クレジットカード情報など。

 同社のルパート・ホッグ(Rupert Hogg)最高経営責任者(CEO)は自社ウェブサイト上で声明を出し、「影響を受けた乗客に複数の連絡手段で連絡を取り、乗客側で取り得る対応策について情報を提供している段階だ」と説明。「個人データが悪用された証拠はない」とした。

 同社は今年3月に自社ネットワーク内で不審な活動があることを察知し、5月には個人情報への不正アクセスがあったことを確認。86万人分のパスポート番号、香港市民24万5000人分の身分証明書番号、期限切れクレジットカード403枚のカード番号、セキュリティーコード以外の有効期限内クレジットカード27枚のカード番号に不正アクセスされ、国籍をはじめ生年月日、電話番号、電子メールアドレス、住所といった個人情報も流出したと認めた

 経営難に苦しむキャセイパシフィック航空は、中国や中東の格安航空会社との価格競争の圧力にさらされる中、大幅な赤字の解消に取り組んでいる。

 同社は3月、70年の自社史上初めて2年連続の赤字を計上。またそれに先立ち、近年最大の経営刷新の一環として、経営陣の4分の1を含む600人の人員削減を行うと発表している。(c)AFP