■二分する評価

 ブルーワインに対する反応は、はっきりと二分される。

 仏パリのリッツ(Ritz)ホテルの元チーフソムリエ、ジャンミシェル・デュルック(Jean-Michel Deluc)氏は「驚きだ」とコメント。ワイン通販サイト「ル・プティ・バロン(Le Petit Ballon)」のブログに投稿した動画の中で同氏は「私が飲みたいと思うものではないが、悪くはない、かなり良くできている」と述べている。

 一方、英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は8月にこのワインを取り上げ、「甘い、非常に甘い、甘すぎる」と評した上、こうした商品は「客寄せ」にすぎないと断じた。

 他方で、ワイン情報サイト「スペインワイン市場オブザバトリー(Spanish Observatory of the Wine Market)」代表のラファエル・デルレイ(Rafael del Rey)氏は青ワインについて、消費者の減少が続く「保守的な」産業で見られる革新の一つだと述べている。

 食事が短時間化し、より軽いワインの需要が増え、またやや甘めの味が好まれるようになってきている中、「多くの人が魅力的と思えるワインに出会えなくなってしまった」と同氏は説明し、そうした需要に応える形で青いワインや低アルコールワインといった革新的な商品が誕生していると続けた。

 欧州では「ジックブルー」は色が青いことを理由に当局からワインと認定されておらず、商品ラベルには「アルコール飲料」と表示する必要がある。だが、米国など他の地域では、ワインとして販売できる。

 ジックライブ!の共同創設者、アリッツ・ロペス(Aritz Lopez)さん(25)は「ジックブルーに対する評価が割れることを、私たちは初めから分かっていた」と語った。同社によると、今のペースでいけば今年の売り上げは150万ユーロ(約1億9000万円)に届きそうだという。

 また、マッカーシーさんによれば、同社の青ワインの人気を裏付けるかのように、スペインでは中国製の模造品も出回っているという。(c)AFP/Marianne BARRIAUX